The 26th JAPAN OPEN SQUAH CHAMPIONSHIPS 2001 6.21〜24

Japan Open Interview No.1


Stefan Casteleyn                       by かめ

インタヴュー時 − Mike Corren との準決勝後

Stefan Casteleyn (ベルギー)

27歳


PSAランキング 2001年6月 38位

過去最高位 7位 (1999年12月)

― 準決勝はストレート勝ちでしたが、昨日の準々決勝のJean−Michel Arcucci戦では1ゲーム落とし、少し苦戦しましたね。

「うん、そうだね。あの試合は厳しかったね。彼( Jean−Michel Arcucci)には先週のDutch Open準決勝で負けてるからね。雪辱を果たしたって感じかな。」

― Arcucci戦の勝因はなんだと思いますか?
「絶対に負けないつもりで集中できたし、Arcucci は、高いティンに上手順応できてなかったようだね。」

注 : PSA大会では日本のコートのティンよりも 5cmほど低く設定されている。
― 1998年World Open (PSA最高グレードの大会のひとつ)でベスト4になり、翌年にはPSAランキングトップ10にいましたが、ここのところ低迷していますね。これは故障が原因ですか?


「うん、確かにかなりランキングが落ちたよ。でも、故障ではないよ。スカッシュ以外の理由で、少しスカッシュに集中できなかったんだ。結婚して、子供ができて生活環境がかなり変ってね。
妻がアメリカ人でアメリカで少しあっちのサーキットを回ったんだけど、大会規模が小さすぎたのでベルギーに戻ってきたんだ。でも、妻は僕がプロとしてスカッシュをプレーすることを全面的にバックアップしてくれるんだ。遠征が多くて、異国で赤ちゃんと2人きりになることが多いのにね。
他の仕事なんて探したら殺されちゃうよ。(笑)
でも、また盛り返してみせるよ。このJapan Openで優勝して復活の足がかりにしたいね。」


注 : Stefan Casteleynは1999年に結婚、同年に父親となった。
― では、故障が原因ではないということですね。プロ・スカッシュプレーヤーには膝や腰、そして足首なんかに爆弾をかかえている人が多いようですが、あなたはどうですか?
「全くないね。そりゃあ、プレーしていると、どこかに痛みを感じる事はあるけど、重い症状なんかはないし。」

― あなたはその点ではかなりラッキーですね。
「うん、そういう面で不安材料がないのは確かにラッキーだね。スカッシュはとかく故障をしやすいスポーツだからね。」

― 先ほど奥様の話が出ましたが、彼女もスカッシュプレーヤーですか?
「うん、アマチュアのね。彼女とは彼女の出身のカルフォルニアで出会ったんだ。カルフォルニアでのオープン大会にエントリーしていて、彼女はフレンドリー大会に参加していたんだ。」



― 話は変りますが、今年のブリティッシュオープン(BO)はいかがでしたか?
「うん、予選からの出場だったけど、あれは散々の出来だったね。」

― クリス・ウォーカーが同じく予選から勝ち上がって決勝まで行きましたが。
「クリスはほんとうのアスリートだよ。彼のフィットネスレベルはそうとうのものだよ。
彼はもともと速いテンポのゲーム展開が上手で、動きもすごくいいんだ。
BOではそれがうまくはまったんだろうね。」
― 優勝したオーストラリアのDavid Palmerは?


「David Palmerは、今ベルギーを拠点にしていて、一緒にトレーニング
しているんだ。ここのところの彼の成長はほんとうにすごいよ。
ベルギーに来たばかりの頃は力任せにボールを打つだけの選手だったんだけど、ベルギー在住のオーストラリア人コーチについてトレーニングするようになってから、スカッシュのスタイルが全くかわったよ。コーチはタッチプレーが上手でね、David は、ドロップやロブなんかがすごく上手くなった。」

― ベルギーのスカッシュ事情はいかがですか?
「10年前くらいはかなり盛んだったけど、いまはちょっと下火かな。
バドミントンなんかに人気が出てきたし、女子テニスに強い選手が出て来てテニスも人気だし。」

― スカッシュは何歳で始めましたか?

「8歳のときから。同じ頃テニスもはじめたけど、3年位でやめたよ。
それからずっとノンストップでスカッシュをしているよ。」

― 尊敬する選手、またはスカッシュを始めたころあこがれた選手などはいますか?
「うーん、Rodney EylesとかBret Martinのプレーは
好きだったなぁ。Jahangir のプレーは生で見た事はないんだけど、
よく、どんなだったんだろうって想像したよ。でも、特に誰が好きとか、その選手の真似をしてみたりとかはしなかったね。」

― ジョナサン・パワーがあるインタヴューで「スカッシュがどんどん進化する中でプロの試合の審判を、選手としてはアマチュアの審判員がするのはもう限界だ。それよりもプロ選手や引退したプロ選手を審判にするべきだ」と語っていますが それについてはどう思われますか?
「僕を含めて、選手としては本当のところ、他のプロ選手に審判してほしいと思ってる。
でも、スカッシュの発展とか普及とかを考えると、公認審判員がいた方がいいんじゃないかな。その方が公式大会として「見栄え」がいいからね。 スカッシュをメジャーにするにはそういう配慮も必要なんじゃないかな。」

― あなたもパワーのようにスカッシュが変化していると思いますか?以前よりもスカッシュがより攻撃的になったような気がしますが。
「確かにDavid Palmer なんかもどんどんアタックしてくるし、攻撃的
になっているのかもしれないけれど、防御とかピックアップが出来てはじめて攻撃が出来るわけだからね。

それよりもなによりもテクノロジーの進歩が一番の要因だよ。
今のラケットはきちんとフルスイングしなくてもボールが飛ぶからね。
ラケットが進化して、スカッシュが変ってきたんだよ。」



― あなたのラケットはFeather というブランドですが、どこのメーカーですか?
「アメリカのメーカーでスカッシュラケットやアクセサリー(グリップやバッグなど)それにテニスのものも作っているんだ。
使い始めて1年だけど、Stefan Casteleynオリジナルモデルがあるんだ。アメリカとベルギーの国旗、そして僕のサインがプリントされているんだ。」

インタビュー感想】
WEB−SQUASH dot COMのスタッフがサインをしてもらうために
彼がワールドオープンでベスト4になった時の写真を持っていて、それをうれしそうに見て「このときのプレーが僕のベストプレーだよ。
前年覇者のRodney Eylesをやぶってね。ピーター・ニコルに負けてしまったけれど」と言っていたStefan。是非、頑張って新たなベストプレーを世界の舞台で見せて欲しいですね。
大会終了後のパーティーでは「また、タイトル防衛のために日本に来るよ」と言ってくれました。