WORLD WOMEN'S OPEN

WORLD WOMEN'S OPEN観戦レポートいたします。 7日から13日まで香港で行なわれた女子ワールドオープン見に行ってきました。 大会は7日から行なわれてましたが、11日の準々決勝からの観戦でした。

11日までは香港スカッシュセンターで行なわれ、準々決勝は5時半からのスタートです。 第1試合は3シードのレイチェル・グリンハム(Aus)とバネッサ・アトキンソン(Ned) の試合です。

1,2は結構あっさりとアトキンソンがとりましたが、3ゲーム目はグリンハムがボールを明らかに後ろに集めるようになり、大柄のアトキンソンを前後に動かして取り返しました。4つ目も途中までは7−3くらいでグリンハムがリードしていましたがここからミスを連発(勝ち急いだ)し、セッティングになり、最後のほうはアトキンソンが開き直って(?)狙った球が決まり、逆に受身に回ったグリンハムが最後のラリーで相手のスイングの中に入ってしまいラケットが触れたアトキンソンはアピールし「ストローク・トゥ、、!」 4つ目もあのまま取っていれば明らかにアトキンソンはバテて来ていたので、グリンハムの勝ちだったでしょう。

終わってグリンハムは本当にがっくり来てました。本人にはホント悔いの残る試合だったでしょう。 ただしグリンハムはブリティッシュチャンピオンだけあって、動きのすばしっこさはピカ1です。背も日本人並ですが体力は相当ありそうです。

準々決勝が終わるとコートにあの"ジャンギール・カーン"が登場しじゃんけん大会ならぬくじ引きが始まりました。協賛各社から提供された商品が貰えるのですが、4点のうちなんと2名が日本からの観戦の方(女性)に当たってジャンギールからキスされてました。 ちなみに当たった人たちはジャンギール(JK)が何者かは良く知らないとのことでした。

そして後半準決勝、決勝の2日間は九龍の文化中心(カルチャーセンター)横の海辺での特設コートでの試合です。「この大会は香港スポーツ界の歴史の1ページを飾る」とアナウンスされてましたが、ホントその通りのイベントでした。

昼間は12月でも暖かい香港もさすがにこの海沿いでは夜は冷え込みますが、屋外コートに移っての熱気と盛り上がりは最高でした。 試合のほうもさすがに準決勝ともなると、第1シードのキャロル・オーウェン(Nzl)の集中力や試合運びはすばらしく、1つ目は落としてもその後はしっかりと勝負どころを締めて3−1でアトキンソンを破りました。ただ2ゲーム目で明らかにダウンやアウトの球をことごとく審判にグッドと判定され、アトキンソンは自滅してしまったようです。つづく2試合目はいよいよニコル・デイビット(Mas、20歳)の登場です。相手のキャシー・ジャックマン(Eng)も最初に日本に来た時は確か21歳くらいだったと思いますが、もう30歳でデイビットと比べると明らかに貫禄ついてます。 ここはジャックマンがやはりパワーでデイビッドを倒しましたが、ニコルデイビッドは明らかに他のプレーヤーとは違います。動きの速さ!(何度かジャックマンの後ろに素早く入りストロークを取ってました)、またセンスの良さ!「そこからそのコースに打つか〜?」って感じです。また前のドロップを拾いに行く姿勢は男子並!それと驚きは、こんなにセンスあるのに常にラケットはヘッドアップさせて待機していることでラケットワークの良さをさらに引き出していました。

ジャックマンにはパワーで破れましたが、数年内に多分世界No,1になるでしょう。会場の男性客からの声援も一番多かったですし、見ていてキビキビしているので楽しい選手でした。(絶対に一見の価値あり!)

 

最終日は観客も9割方入り決勝の前はエキジビションでダブルスです。 地元香港の男女No,1のウォンワイハンと大会にも出ていたレベッカチュウにJKとグリンハムです。それにしてもJKはWSFの会長になってもこんな客寄せパンダみたいなことをやって大変です。普通のコート(シングルスコート)に4人でダブルスなのでマジなダブルスにはなりませんでしたが、時折見せるJKの往年のフォーム(構え)はホントに格好良かったです。マーカーも警察官ながら協会審判員兼、DJみたいでえらく盛り上げてプレーヤーや観客を楽しませてくれました。

決勝はオーウェンがジャックマンを3−1で破って優勝しましたが、正統派の2人のラリーの迫力と勝負に賭ける気迫は決勝にふさわしいものでした。 (ちなみに2回ほどラリー中バックウォールに向かって打った球が、そのまま客席を飛び越えてホームランし海に飛び込むシーンもありました) 試合前も選手入場に獅子舞があったり、子供の演舞(驚異的!)があったりと非常に楽しませてくれました。 女子の試合は意外と早く決着がつくものが多いのですが、結果的には今回はどの試合も競り合った良いものばかりで見ごたえ十分でした。

 

最後に、今回はSARSの影響で観光客が減った香港の活気を取り戻そうと香港のお役所もバックアップして招聘した大会のようでしたが、次回も香港で開催されるようなら、日本からも近いのでぜひ見に行って損はしないです。