USオープン観戦記

行ってきました、スカッシュUSオープン。

準々決勝の4試合を観たのですが、すごかったですよ、いろんな意味で。

第一試合、立ち上がりはNicolがポンポンと得点を重ね楽勝ムードかと思いきや、 見る見る逆転されて気が付いたら0−1。第2ゲームもドロップが悉くダウンし、 リードをゆるすNicol。その時、客席から携帯の着信音が。何と言っても会場はコンサートが行われるシンフォニーホール。大きく響く音に2人はプレーを中断して客席を睨むのですが音は止まらず。4回ほど鳴った時にNicolが「携帯、うるさい!」と一言。周囲の目も音のする方向に集まり、これじゃぁ、持ち主は知らんぷりするしかない状況。幸い、その後2度ほど鳴って止まり、プレーは再開されましたが、 そのゲームもNicolは落として0−2。第1ゲーム中にもフロントウォール後ろの席を移動する人を睨んでいたNicol。あれれれ、こういうの苦手なのかなと、思っていたのですが、第3ゲーム、ドロップショットが決まり始めると、後はNicolペースで進み、結果3−2。やっぱり強いのね、Nicolってば。

その日はFamilyDayで、試合後勝った選手がクジで選ばれた子供と1ポイントのゲームをしたのですが、2球目で空振りしちゃった相手に、自ら「今のはレットだ」と、もう1球相手をしてたのが印象的でした。いい人なのね、Nicolって。

 

そして第2試合。これが大荒れ。最初から選手2人共審判に対してかなり不服そうだったのですが、Jonathaon Powerが勝っている間は何とか試合は進んでいたのです。が、第3ゲーム、Lincouがリードすると益々雲行きは怪しくなり、そのゲーム終了時、Powerはラケットをフロントウォールに投げつけて退場。「うわっ、Marrさんの評通りマナーわるっっ」と思っていたら、第4ゲームは更に激化。事有る毎に審判を睨みつけ怒鳴りまくるPower。「今までの人生でこんな事無かった!」とまで。そしてついに事件が・・・ジャジャジャーン(?) 審判に抗議しているPowerにLincouが渡したボールが、Powerの顔に当たったのです。とは言っても近くから山なりに軽く投げたボールで、見た目にはそれ程問題は無さそうでしたし、審判も痛がるPowerに試合に戻るように指示したのですが、Powerは「何も見えないんだ!目に当たったんだ!」と叫び、試合は中断。45分間中断し、結果第4試合の後に続行される事になりました。あらまぁ、恐いのねPowerって。
そして第3試合。その日唯一の荒れない試合でした。会場はMatthew人気が高く、応援もかなり偏ってましたが、終始落ち着いて見えたPalmerが圧勝でした。 そして、子供との1ポイントマッチ。相手は5、6歳のかなり小さな男の子でしたが、これが驚くほど上手でフォアもバックもしっかりストレートを打っちゃうのです。それをPalmerがバックウォールに当てて返す形でかなりラリーが続き、司会者(?)が、「Mr.Palmer、まだ試合があるのだから無理しないように!」なんて言う場面も。結局最後は子供にポイントを取らせ、Palmerはラケットを投げて悔しがってました。とってもいい人なのね、Palmerって。 さぁ、皆さん。そろそろ飽きて疲れてきましたか?後少し我慢してくださいね。

 

第4試合。これまた大荒れでした。まず、第1ゲーム終了時、ゲームを落としたWhiteがラケットを投げつけて退場。これには驚きましたが、第2ゲームが始まる時審判が「Mr.White、試合後ラケットを紳士的に扱っていただけますように」と言うと、Whiteは持っていたラケットにキスをし、一瞬和んだ空気が流れました。が、試合が始まると第1ゲーム同様に2人共審判へのアピールを繰り返し、途中、2人が肩を組んで苦笑いしながら審判を見る、なんて場面もありました。その後も荒れた雰囲気の中で試合は続き、第2ゲームもRickettsで2−0。第3ゲームは、RickettsよりもWhiteの方が審判にアピールする事が多くなり、最後は結構あっさりとRickettsが勝ちました。そしてWhiteは握手をした後さっさと荷物を持って、あっという間に会場から去ってしまいました。ちょっと可哀想、Whiteさん。

 

その後、第2試合の続きが行われ、相変わらずアピールを繰り返すPowerに対して、今ではすっかり落ち着いた様子のLincou。ポイントは一進一退でしたが、終わってみればLincouの楽勝にも見えました。でも、その瞬間、Lincouは両手を突き上げ、雄叫びを上げて喜んでいたから、やっぱり本人は苦しかったのかしら。 よかったね、Lincou。

 

はぁ。ここまで我慢強く読んでくださった貴方。有難うございます。 なんだか試合内容とは関係無い話ばかりになってしまいましたが、勘弁してください。そうそう、今回客層がとっても興味深かったです。まず、子供がとっても多い。結構入場料が高いのに、この子供の多さには驚きました。そして、日本の試合ではまず見かけない位の年配の人も多い。私たちの隣では、どうやらどこかの大学のスカッシュ部の同窓生、といった感じの70代と思える男女が数人、楽しそうに、そしてかなり厳しい批評をしながら観てました。さすが、ニューイングランド地方の街、ボストンですね。 最後にちょっとした自慢話(?)を少し。 たまたまホテルが選手と一緒で、ロビーやエレベーターで皆に会いまくりでした。 話し掛けたりはしませんでしたが、その気になればいくらでも、という状況です。 だって、皆見た感じはふつーのにーちゃんで、特にSPと一緒と言う訳でもなく、(当たり前か)1人で、とか、友達らしき人と、とか、ホントに普通なんだもの。 着てる物もふつーだし。だーれも気にかけてる様子もないし。先日、テレビで観た「クイズ100人に聞きました」(知ってますよね)のアメリカ版みたいな番組で、「ラケットを使うスポーツは」という問題に「スカッシュ」という答がゼロだった事を考えると、まぁ納得だけど。(ちなみに答は約9割がテニス、バドミントンとラケットボールがそれぞれ一桁でした。) あぁ、美しかったボストンの街並み。美味しかったシーフード。ホントはそれも書きたかったのだけど・・・終わります。